北陸Ruby会議ロゴ

北陸Ruby会議01
みんなのRubyの使い方

日時 2025.12.6 (Sat)
会場 石川県立図書館

開催概要

北陸Ruby会議は、北陸三県で活動する三つのRubyコミュニティが合同で主催・運営を行っています。
第一回目のテーマは「みんなのRubyの使い方」です。
発表者募集(締め切りました)

日時

2025年12月6日(土)
11:00 - 16:45

会場

石川県立図書館 研修室
交通アクセス・マップ

参加費

無料
事前登録制

SNSハッシュタグ#hokurikurk01

タイムテーブル

10:20

開場

11:00 - 11:10

オープニングセッション

11:10 - 11:55

日本Rubyの会の構造と実行とあと何か

高橋征義 (Masayoshi Takahashi)

12:25 - 12:35

スポンサーセッション

12:35 - 13:35

昼休憩(60分)

14:05 - 14:20

Rubyで作る静的サイト

おおくらまさふみ

14:35 - 14:50
14:50 - 15:00

休憩(10分)

15:40 - 15:50

休憩(10分)

16:35 - 16:45

クロージングセッション

18:00 - 20:00

懇親会

プログラム

KEYNOTE

KEYNOTE

日本Rubyの会の構造と実行とあと何か

日本Rubyの会はおかげさまで設立から20年以上(!)が経ちました。
Rubyの会はこれまで国内のRubyとRubyコミュニティを支える活動を行ってきましたが、その実態はあまり知られていないかもしれません。というのも、Rubyの会は表立って活動するよりも、コミュニティを陰で支える裏方としての役割を担ってきたためです。加えて、そんなに目立ってもなあ……という思いもあり、その姿勢が現在のあり方に自然と表れていそうです。

本発表では、日本Rubyの会の創設者であり、代表理事でもあるtakahashimが、Rubyの会のあゆみや活動方針、そしてRubyとRubyコミュニティとの関わりについてお話しします。
あわせて最近書いたRubyのコードの話も少しする予定です。

takahashim

高橋征義 (Masayoshi Takahashi)

一般社団法人日本Rubyの会代表理事、株式会社達人出版会

札幌出身。北大工学部情報工学科卒業(修了)後、20世紀末よりWeb制作会社にてプログラマーとして勤務する傍ら、任意団体として日本Rubyの会を設立。後に法人化し、現在まで代表理事を務める。2010年よりITエンジニア向けの電子書籍の制作と販売を行う達人出版会を創業、現在まで代表取締役。RubyKaigiや技術書典の運営にも関わる。少し前に会社とRubyの会ごと札幌に移転し、現在も札幌在住。著書に『たのしいRuby』(共著)など。好きな作家は新井素子。

KEYNOTE

30歳を迎えたRubyの魅力と僕たちの今、そしてこれから

Rubyは1stリリースから30年。すでに歴史ある言語となったRubyをなぜ自分が好んで使っているのか、Rubyの生い立ちや特徴、他言語の影響、エコシステムや文化を(あくまで自分視点で)ふり返りながら、2025年現在やこの先もRubyを活用し続けるに当たって、「こういう視点を持っているといいんじゃないか?」と思っていることや活動を紹介します。

すでにRubyを使っている人にも、これからRubyを始めようかな?と少しでも感じた人にも、不安を減らし、より積極的に活動していく応援となれば幸いです。

wtnabe

wtnabe

好きなことはキーボードを叩くこと。あと深爪。認定Ruby Goldプログラマではある。ただしRuby 1.8相当。広く浅く雑食系。最近の興味は静的型付けや関数型のよいところをパクってくることと、監視と相性のよい仕組みづくり。

SESSION

SESSION

Ruby で作る大規模イベントネットワーク構築・運用支援システム TTDB

毎年開催されるネットワーク技術の展示会 Interop Tokyo では、大規模イベントネットワーク「ShowNet」を構築し、相互接続試験や出展社へのインターネット接続サービスを提供しています。ShowNet のような大規模イベントネットワークの構築では、大人数でのタスク管理、大量のネットワーク機器や IP アドレスの管理などが欠かせません。

本発表では、ShowNet で Ruby を使って開発しているネットワーク構築・運用支援システム「TTDB」を紹介します。
TTDB は、タスク管理のためのチケットシステム、ネットワーク機器情報やポート接続情報の管理、インターネット接続サービスのユーザごとに割り当てている IP アドレス管理、認証基盤などを統合した Web アプリケーションです。
これらの TTDB の機能を紹介しながら、イベントネットワークの構築の現場がどのようなものか、どのように Ruby を使っているかを紹介します。

taketo1113

高嶋健人

Web アプリケーション開発者。fukui.rb。ShowNet NOC チームメンバー。

SESSION

計算機科学をRubyと歩む 〜DFA型正規表現エンジンをつくる~

正規表現は普段何気なく使っていると思います。テキストエディタの検索や置換、grepなどのコマンドラインツールで広く利用されています。しかし、その内部で何が起こっているのかを理解している人は少ないのではないでしょうか。本発表では、DFA(Deterministic Finite Automaton)を用いた正規表現エンジンの実装を通じて、正規表現の仕組みを深く掘り下げていきます。

正規表現の様な計算機科学を学ぶとき、私たちにはRubyという心強い相棒がいます。低レベルの実装詳細に惑わされることなく、アルゴリズムの本質に集中できる—それがRubyで学ぶ最大の利点です。

私は思い立ってシンプルな正規表現エンジンをRubyで実装しました。理論を実装に落とし込んだ結果、400行程度のRubyコードで動作します。

このトークでは、実際のコードや図を交えながら、正規表現エンジンの仕組みを解説します。Rubyとともに歩むことで、計算機科学の理論が身近で楽しいものになることを、皆さんと共有したいと思います。

ydah

ydah

Ruby のコミット権を有する OSS プログラマー。主に構文解析器の改善に取り組んでいる。Kyobashi.rb の創設メンバー。2024 年以降大阪 Ruby 会議 / 関西 Ruby 会議のチーフオーガナイザーを務める。SmartHR プロダクトエンジニア。

SESSION

Ruby DSLでMinecraftを改造できるようにする 〜パパのRuby、娘のMinecraft〜

多くの小学生を夢中にさせるMinecraft。その教育的意義に期待し、この夏、我が家でも小学1年生の娘に買い与えました。今では毎週末にMinecraftの世界で共同生活することが家族の楽しみになっています。

ところで、プログラマである私の仕事を、きっと娘はちゃんと理解していません。そこで、娘が夢中なMinecraftを私のRubyコードで改造して見せれば、「パパの仕事」がどんなものか伝える最高のデモンストレーションになるのでは?と考え、MinecraftをRuby DSLで改造できるようにするという個人的な挑戦が始まりました。

本セッションでは、Minecraftカスタマイズの基礎にはじまり、Javaの世界をRubyから操作する仕組み、そして直感的なRuby DSLの設計・実装と、そこで直面した課題などを解説します。

セッションの最後には、作成したDSLを使い、書いたコードがMinecraftの世界に反映される様子を、デモで実演します。

この発表が、Rubyの新たな楽しみ方の発見や、DSL設計の面白さに触れるきっかけになれば幸いです。また、一人の「パパプログラマ」として、パパの仕事と娘の遊びをいかにして繋げるか、その試行錯誤の一例として楽しんでいただければ嬉しく思います。

taiju

東 大樹

株式会社永和システムマネジメントでプログラマをしています。2022 年に永和内の別の事業部からアジャイル事業部に異動して、社内唯一の福井で働く Rubyist になりました。fukui.rb のオーガナイザーのひとりです。

SESSION

Rubyで鍛える仕組み化プロヂュース力

Ruby は私にとって思考の基盤であり、プロダクトコードの実装だけでなく、開発を支える仕組みづくりにも活用してきました。本発表では、Ruby を通じて「仕組み」を作ってきた際に実践したことや完成までに辿ってきた過程を紹介し、プロジェクトに必要十分な自動化や文化の醸成をどのように実現してきたかをお話しします。

muryoimpl

無量井 健

石川県金沢市の自宅にこもってお仕事している、Kanazawa.rb の LT 大会で使われる Slack のスラッシュコマンドによるエントリシステム kzlt-ruby を運用している人。
kzlt-ruby の創造主であるため、LT 大会のときだけ「神」と呼ばれる。

SESSION

Rubyで作る静的サイト

Rubyエコシステムにはいくつかの静的サイトジェネレーターがあります。最も有名なものはGitHub Pagesで使われているJekyllですが、それ以外にも多くのジェネレーターがあり、最近も開発が続けられています。 私はこれまでMiddleman, Nanoc, Bridgetownの3つを使ってウェブサイトを構築してきましたが、それぞれに個性があります。
この発表では、静的サイトジェネレーターの概要やメリットについて紹介した後、これら3つのジェネレーターを比較します。また、特に最近のジェネレーターであるBridgetownについて最新動向をお伝えします。

okuramasafumi

おおくらまさふみ

フリーランスのソフトウェア開発者。Kaigi on Railsの発起人・チーフオーガナイザー。Alba gemの作者。

SESSION

Kaigi on Rails 2025におけるsubscreenの実装について

Kaigi on Rails 2025は国際化に向けた取り組みの第一歩として、日本語の文字起こしとその内容を英語へと翻訳した結果を表示するサブスクリーンを用意しました。似たようなものをRubyKaigiや、東京Ruby会議12で見かけた方もいるでしょうが、Kaigi on Rails 2025では新しく実装することにしました。理由はFalconの作者、Samuel Williams氏を基調講演者として招聘するにあたり、どうせならFalconをKaigi on Rails 2025のどこかで使いたい!と考えていたためです。
この発表では、Kaigi on Rails 2025ではサブスクリーンについてどのような実装をしたのか、本編の配信も含めた全体の構成についての解説と、会期中発生したトラブル、今後このシステムについてどのような改善点があるかについて発表します。

unasuke

うなすけ

福井県生まれ、福井高専出身のRubyist。現在はフリーランスとして仕事をしている。QUIC/TLSについての実装を趣味で行いつつ、Kaigi on Railsのいちオーガナイザーとしても活動中。
8番らーめんの唐麺とヨーロッパ軒のパリ丼を定期的に摂取しないと生きていけない身体になってしまった。

SESSION

Ruby受託事業マネジメントの10年

Rubyistたちの日中のお仕事となる受託開発の組織マネジメントを10年間行ってきた実践とノウハウのお話です。

勤務先となる株式会社永和システムマネジメントでは、Railsの黎明期からRubyを使った受託開発ビジネスを始めて、20年弱の期間が経ちました。私がマネージャーとして関わるようになったおよそ10年の間での業界の変化を背景に、組織づくりでの創意工夫や苦労した点などをお話しします。

全国のRubyistたちとの働き方やコミュニティとの距離感へのヒントになるとともに、福井県に本社をおくリモートワーク企業として、北陸からのRuby事業発信のアジャイルな組織運営の参考事例になれば幸いです。

mhirata

平田守幸

永和システムマネジメント アジャイル事業部長

LT

LT

「Rubyで守るわが家の安心:IoTセンサーネットワーク『ゆきそっく』の実践」

RubyはWeb開発や業務システムだけでなく、生活に密着した課題を解決する力を持っています。本発表では、超小型無線データ通信モジュール(TWE-Lite)とリードスイッチやRaspberry Piと組み合わせ、Rubyで「ドアの開閉を検知して通知するホームセキュリティ風システム」を構築した事例を紹介します。
センサーデータをRubyでパースし、状態をRailsのWebアプリに連携することで、家の様子を“見える化”しました。Rubyが日常生活を便利かつ安全にする実践例をお届けします。

izawa

井澤ゆきみつ

井澤 志充 (いざわ ゆきみつ)博士(情報科学)
株式会社クルウィット 取締役 兼 北陸支社支社長

1996年よりWIDEプロジェクト・IAAワーキンググループにおいて災害時におけるインターネットを使った情報流通の仕組みを研究する傍ら、専門誌でWeb関連技術について連載する。

2000年にクルウィットの前身、有限会社インターネット応用技術研究所を立ち上げ、被災者情報システム(IAAシステム)を事業化。
現在、ネットワークセキュリティ事業の研究・開発に従事し、対サイバー攻撃アラートシステム: SiteVisorの開発・商品化なども行っている。

2013年に一般社団法人 Code for Kanazawa の理事として立ち上げに携わる。
また金沢市を中心としたRubyの勉強会 Kanazawa.rbのコアメンバーでもある。
インターネットテクノロジーを人々の生活に役立てるための活動に日々邁進している。

LT

猫の健康を見守りたい!実践 Raspberry Pi + Ruby

猫と電子工作はお好きですか? 多頭飼い環境にて猫のトイレ利用状況を把握したいという個人的ニーズから、Raspberry Pi + Ruby での猫の識別システム構築に挑戦しました。構築の先生としてChatGPTに指示を仰ぎつつ、奮闘した様子をお伝えします。

betachelsea

beta_chelsea

石川生まれ・新卒福井・現在は5歳の白猫と東京住まい。本業にてRailsリポジトリの開発保守、副業でプログラミングスクールメンター、趣味でイベントスタッフをしています。好きなRubyメソッドはmap。好きなきんつばは中田屋。

LT

与信管理を形にする:Rubyの柔軟性が支える高速データ収集・自動化基盤

私の所属する会社が行っている与信管理業務は、多種多様な外部データを踏まえ、経験に基づく総合的な判断が必要とされる高度な専門領域です。法人登記、インボイス情報などの公的情報に加え、日々変化する企業情報を収集・統合し、即座に活用できる基盤が求められます。

具体的には、企業の財務状況、代表者や住所の変遷、業界動向など、数十にも及ぶ評価観点から、企業の信用リスクを多角的に分析します。これらの膨大で複雑なデータソースから、瞬時に判断を下すためには、柔軟かつ拡張性の高いシステム基盤が不可欠です。

本セッションでは、この複雑で専門的なビジネスロジックをRubyでどのように具現化し、運用しているかを紹介します。
企業の信用リスクを正確かつ迅速に判断する専門性をRubyでどのように表現しているのか、ぜひ覗いてみてください。

5hun-s

5hun

アラームボックス株式会社のWebエンジニアです。
Rubyは現職で初めて触れましたが、社内のアプリケーションはすべてRuby製なので、毎日Ruby漬けの日々を送っています。

LT

rack-attack gemによるリクエスト制限の失敗と学び

Public APIを安定して運用するには、リクエスト制限が欠かせません。SmartHRでもrack-attack gemを用いて制限を実装していますが、実際の運用では思わぬ失敗に直面しました。
本LTでは、その失敗への対応と、そこから得られた学びについてお話しします。

pndcat

なっちゃん

株式会社SmartHRでWebアプリケーションエンジニアをしています。業務では履歴管理と奮闘し、休日は推し活動をしています。

LT

Rubyで楽してタスクを書きたい!

Rubyで作られたタスクランナー、「taski」について発表します。このGemは私の開発経験において、「タスク間の依存関係を記述したくない」、「コードを記述する量を減らしたい」、という思いから生まれました。
プロジェクトのbuildには複数のステップを実行する場合があります。あるステップの実行には前のステップの実行の成果物が必要であれば、それらのタスクは依存関係があるということになります。
少ない工程のbuildであれば、makeやrakeなどで十分可能でしょう。しかし、依存関係が複雑になると、タスクを前後したり、新たなタスクを挟みたくなる時に依存関係を明示的に書くのが大変になる場合があります。
私はこの経験から、依存関係を自動で解決してもらいつつ、タスクの実行に必要な処理に注力できるようなタスクランナーが欲しいと思い、taskiを開発しています。
この発表では、taskiをどのようなアプローチで作成しているかを発表したいと思います。

ahogappa

ahogappa

趣味でRubyで開発できるゲームエンジンとかワンバイナリツールを作っています

LT

STYLE

ご存知のように、Rubyは多様な書き方ができるプログラミング言語です。書き方の多様性を表す例を挙げてみましょう。

- 文字列リテラルにおけるシングルクォートとダブルクォート
- 配列リテラルの括弧内のスペース有無
- 複数行ブロックにおけるブレースとdo...end
- メソッドチェーンにおける改行位置
- 複数行ハッシュリテラルの末尾カンマの有無

枚挙にいとまがありません。本トークでは、このようなスタイルの違いにおけるそれぞれの表現と、その背後にある主張について考えてみます。

また、Ruby Style Guideの実装であるRuboCopは「設定が大変」という声をしばしば耳にします。なぜ設定が大変なのか、実際のところチームにはどのように適用するのが良いのか考え方のヒントを示します。そして、ヒントまで辿り着いた時、RuboCop運用での問題は、どうやら一概にSTYLEの違いとは限らないという解のひとつに辿り着きます。

その解とは何かが、このトークからの北陸土産になります。

koic

Koichi ITO

OSS プログラマー。RuboCop のコミッター。MCP Ruby SDK のコミッター。株式会社永和システムマネジメント エンジニアリングマネージャー / ディスティングイッシュト・エンジニア。

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運営

北陸三県で活動する三つのRubyコミュニティが合同で主催・運営を行っています。
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